ニムロッド
阪井さんはノリが大変良い。私と話すときは大抵こんなふうにふざけている。でも真面目なときは真面目だし、優しい。
阪井さんと知り合ったのは私がツイッターを始めてすぐのころ。右も左もわからなくて適当に好きなアーティストについて呟いていたら『おれも好きなんです。よかったらよろしく』のツイートつきでフォローされた。そのときはとても嬉しくて、速攻で返信とフォロバをした。
阪井さんはすこぶる親切だった。用語の解説から友達の作り方まで何から何まで教えてくれた。
私が阪井さんについて知っていることは少ない。20代の男の人で会社員でアイコンの犬は実家で飼っているメスの雑種のマメちゃんということとあと好きなマンガや音楽が少々。
でも阪井さんは夜になると必ず現れる。たまに仕事が大変で寝落ちしてたりとかするけど、いつもやってくる。
阪井さんと話すのはお互い今日の昼間にあったこととか深夜アニメの実況とかおすすめの本とか色々なこと。
心配事があれば相談に乗ってくれるし、逆に阪井さんの愚痴を私が聞いてあげることもある。
正直、阪井さんは学校の友達の誰より仲のいい人だった。
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

タイトル案

総文字数/282

その他1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop