ニムロッド
それに朝はあの人とのお別れの時間だ。あの人とはツイッターで知り合った。私たちは所詮インターネットが繋ぐ電子空間だけの仲だから、普通のことをしている間は話せない。みんなが寝静まったころに、ようやく私たちの時間は動き出す。

 0→∞

『こんばんわー誰かいない?』
とりあえず挨拶だけ呟いてみる。時刻は11時を過ぎて、家族はお風呂に出たり入ったりしている時間帯だ。あの人はだいたいこのぐらいになると返信をくれることが多いから。
10分ぐらい経つと、自分のタイムラインにアットマーク付きのあの人の呟きが現れる。
『つきちゃん、こんばんは。おれ参上!』
『ぎゃー\(>_<)/阪井さんだ!!』
つき、は私のハンドルネーム。月からとった。阪井さんはあの人のこと。
『ちょっぎゃーってww』
『ギャーッギャーッギャーッ』
『モwスwラww』
『えっモスラってそんなふうに泣くの!?』
『てきとう(しれっ)』
『しれっと言わないでくださいw』
< 2 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop