大好きだったあいつ


「あいつ元気なのか?」


ふと、こうちゃんが尋ねてきた。


「うん、多分……」


「…今度一緒に家来いって伝えとけ。」


「え、でも……」


唯さんと会うの、どうなんだろう。


「なんだ?」


「ううん。わかった。」



それから数日後、思いも寄らない所で遭遇する事になる。


その日も、こうちゃんの家に行こうとマンションの下で呼び出しナンバーを入力していると、後ろで足音がした。

誰か順番を待っていると思い、すみません。と慌てて中に入る。


「うぉ、お前か。」


聞きなれた声に立ち止まり振り返ると、彼が面白そうにニンマリ笑って立っていた。


「洋平さん…!?
びっくりさせないでよ!
何でここにいるの?」







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