私の夜道さん!




ど、泥棒、猫…??



ものすごい剣幕で店から出てきたのは、私もよくお世話になっている精肉店の松前さん。
少し(?)コワモテの店員さんです。



「ま、松前さん、どうし」



言い終わらないうちに、ヒュッ!と風を切る音が聞こえ、振り返った時にはもう何メートルも先にそれはいました。



あっという間に大通りを抜け、街角に消えていった真っ黒なネ……、コ…??




「うそ、今のほんとに猫なの?」



「ちっくしょー、高ェ肉盗りやがってあんの化け猫が!!!」



「ちょ、松前さん、大丈夫ですか?」



「おお、菜子ちゃんか…ほんのちょっと目ェ離した隙に化け猫の野郎が盗りやがったわ…こんな高いとこにあったのによー、すげえジャンプ力だぜ」




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