スイーツ男子、佐藤くん
「じゃあサチちゃん僕と握手してよ。ねえ、ダメ?」
佐藤くんの顔は笑顔なのに何故か怖く見える。私は逆らっちゃいけないような気がして、恐る恐る手を差し出した。
「うん、いい子いい子。」
子供扱いしながら握手する佐藤くんの顔は見れなかった。佐藤くんは見た目はちょっぴり童顔で、優しそうでどちらかと言うと…失礼だけど女の子見たいって思ってたのに。
触れ合った手のひらは思ったよりも大きくて、なんだか心臓が跳ねた。
手に視線をやってみる。
佐藤くんの手には小さな切り傷や火傷の跡のようなものがいくつもあった。
「これ、気になる?」
佐藤くんが尋ねてきた。私が見てたこと…気付いてたんだ。私は無言で首を縦に振った。
「…僕ね、元々お菓子作りが得意なわけじゃなかったんだよね。始めたのは父親がパティシエだったから…それに感化されて。小さい頃は失敗ばっかりだったんだ〜。」
佐藤くんは言葉を区切った。
「今でも失敗はするよ。でもね失敗って大切だと思うんだよね。だってまだ改善して、高めることがあるってことだから。」
なーんてね、とちょっと恥ずかしそうにする彼。…失敗、かあ。
その言葉が私の心に深く沈んだ。
佐藤くんの顔は笑顔なのに何故か怖く見える。私は逆らっちゃいけないような気がして、恐る恐る手を差し出した。
「うん、いい子いい子。」
子供扱いしながら握手する佐藤くんの顔は見れなかった。佐藤くんは見た目はちょっぴり童顔で、優しそうでどちらかと言うと…失礼だけど女の子見たいって思ってたのに。
触れ合った手のひらは思ったよりも大きくて、なんだか心臓が跳ねた。
手に視線をやってみる。
佐藤くんの手には小さな切り傷や火傷の跡のようなものがいくつもあった。
「これ、気になる?」
佐藤くんが尋ねてきた。私が見てたこと…気付いてたんだ。私は無言で首を縦に振った。
「…僕ね、元々お菓子作りが得意なわけじゃなかったんだよね。始めたのは父親がパティシエだったから…それに感化されて。小さい頃は失敗ばっかりだったんだ〜。」
佐藤くんは言葉を区切った。
「今でも失敗はするよ。でもね失敗って大切だと思うんだよね。だってまだ改善して、高めることがあるってことだから。」
なーんてね、とちょっと恥ずかしそうにする彼。…失敗、かあ。
その言葉が私の心に深く沈んだ。