スイーツ男子、佐藤くん

「…あぁ、よく来たな。部屋は一階にある。桜の間だ。」

「悪いわね、志優。忙しい時に。バイトはどうするのかしら？」

「…母さんから了解はもらってある。従業員を増やしたらしいからな、そっちを手伝う。」

志優先輩、なんだか着物似合うなぁ…なんて、少し遠くから見ていると先輩と目が合った。

「真広と楠木はどうした？」

「え？えっと…というか、真広先輩と伊織くん、来るんですか？」

「…千代子、お前何も伝えてないのか。」

「あら、ごめんなさいね。忘れていたわ。今回は私、志優、真広、伊織、慶太、そしてサチちゃんの6人よ。」

今聞きました、なんて言葉は無理矢理飲み込んだ。

「…案内する。それと佐藤、荷物は俺が持とう。…俺は従業員なんでな。」

従業員、を強調した先輩は、佐藤くんの荷物、というか私の分をそのまま持って、歩いて行った。とりあえず着いて行くけれど…佐藤くんはなんだか不服そうだった。