スイーツ男子、佐藤くん
志優先輩を先頭に、二つの部屋が案内された。一つは私と佐藤先輩、そして真広先輩が泊まる桜の間。もう一つは伊織くん、佐藤くんが泊まる若竹の間。向かい合っているから結構近いみたい。

「…それと、千代子のリクエストだった露天風呂、予約は取れた。」

「あら、取れたのね。ダメもとだったのだけれど…ふふ、サチちゃん。一緒に入りましょうね。」

にっこりと微笑まれると何も言えなくなる。…でも、楽しみ、だなぁ。

「…よし、荷物を置いてとりあえず海の家、行きましょうか。ちょうど真広と伊織も着いたそうよ。」

佐藤先輩はスマホの画面を見せながら言った。そうだった、今日は旅行じゃなくて、バイトに来たんだった!
私は気を引き締めて、先輩の後ろについた。
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