スイーツ男子、佐藤くん

「とりあえず、俺らは人を集めるか。…と、その前に。藤山ァ！お前舐めてんのか！」

「えええ！？わ、私何かした？」

「その髪だ！見てる方が暑苦しいわ！上げろ上げろ！アップにすっぞ！けーちゃん！俺のポーチ取って！」

奥にいた佐藤くんは無言で伊織くんにポーチを投げつけた。そして私は無理矢理伊織くんに座らされる。そういえば髪、伸びたなぁ…。私のちょっと明るい髪はもう、胸の辺りまで伸びた。佐藤先輩の方が長いけれど、先輩はいつもポニーテールだからなぁ…。

「ったく…。藤山の髪をいじる時がくるもはな…！あぁもう！増子先輩がいい！でもやる！」

伊織くんは慣れた動きで私の髪を梳かす。そういえば伊織くん、美容科だったっけ…。

目をつむっていると、いつの間にか首筋が涼しくなった。手渡された鏡で見て見ると、ピンク色のハイビスカスのヘアゴムを使ったアップヘアになっていた。

さすが伊織くん！

「可愛いだろ！さすが俺！気合い入れて呼び込みすっぞー！」

「お、おー！」

金髪の眩しい伊織くんは気合い十分だった。そういえば調理担当の佐藤くんと志優先輩、大丈夫かな…。