虹色コンチェルト
「あ、いけない!日直だから日誌取りに行かなくちゃ」
急に声を上げた琴子が、
食べ終えた弁当を片付けた。
「ごめんね音羽!私ちょっと先に行くね」
「うん。…日直、頑張って」
「ありがと!」
琴子がいなくなり、
一人になった音羽は、
徐に空を仰いだ。
思わず歌いだしたくなるような陽気に、
自然と笑みが零れた。
そして、
――…~♪~…♪…。
なんとなく、
頭に浮かんだ言葉を口ずさむ。
声が、
高く青い空へ染み込んで行く様で…
(…幸せだな……。やっぱり私、歌が好きなんだ…)
なら、
合唱部に入るという選択肢もあるが――
音羽はふるふると首を振る。
(違うんだよね……。みんなで歌うのも好き、だけど…。それだけじゃ、なくて…)

