愛させろよ。
俺は、茉莉花先輩の言葉を思い出していた。

『壁を感じるの』

桐谷先輩が言った。

「私が、壁を作っちゃってるんだと思う」

壁というワードが桐谷先輩からも出たことに、俺は驚いた。

「あ……」

「何、その顔。もしかして、吉永先輩に相談されてたの?」

俺は一瞬、あのことを言うべきか言わないべきか迷った。

その逡巡を、桐谷先輩は見逃さなかった。

「やっぱり。隠さなくていいのよ」
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