愛させろよ。
桐谷先輩は呟くように言った。

「相原、ごめんね」

先輩の落ち込み切った表情が、俺の心をえぐった。

「ほら、今日は練習ですから。本番は大丈夫ですよ」

努めて明るく言った。

それでも、先輩の表情は変わらなかった。

「どうかしらね……ねえ相原?」

先輩は何か言いかけたのだが。

「五時です! 反省会を始めます!」

話はそこで打ちきりになってしまった。
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