恋愛なんて、めんどくさい。

一瞬でも、優しくされて嬉しいとか思ってしまった事を否定できなくなるような気がして。

ありえない。

そんなこと絶対ありえない。





言い聞かせるのに必死だった。





「よし、乗れ。」

「うん、乗ってやる。」


…そういえば、男の子と二人乗りなんて初めてだな。

イケメンと二人乗りとか、女子の憧れランキングTOP20には入るでしょ。


とか考えながら荷台に座り、

先に乗ってた深宮の背中にもたれかかる。



うわ、なんか緊張。


「ちゃんと捕まれよー。」



グイッ!と腕が引っ張られたかと思うと、あたしの腕は深宮の腰に巻き付けられていた。


慣れてんねー。


「んじゃ、しゅっぱーつ。」


気の抜けた声と共に走り出す自転車。


「ちょっとー、ふかみやー、はやいー!」


想像してたよりも速くて結構怖い。


「何ー?怖ぇーの?」


むしろ楽しそうな深宮。


ここで素直に怖いー、とか言えるタイプじゃないから


「そんなに速く走ったら深宮といる時間が減っちゃって寂しいじゃん…。」


とか言ってみたり?


「…………。」


…あれ?ノーコメント?

反応0じゃ、言ったこっちが虚しくなるじゃないですか。
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