堅物くんとの恋愛過程
「あり……がと」
張り詰めた緊張から解放され、一気に身体中の力が抜けていく。
「危ないっ!」
フラつく身体を寸でのところで、佐伯くんが抱き留めてくれた。
怖かった……。
改めて自分が招いた恐ろしい事態を、今になって把握する。
「まったく。いつもは男子生徒に食ってかかる方ではないのに……今日の胡桃沢さんは、やはりどこかおかしいですね」
「…………」
「体調が悪いのであれば無理せず保健室……」
「あ、ありがとう。でもホント大丈夫だから」
支えてくれていた佐伯くんの腕をも振り解き、ゆっくりと所定の位置へ戻る可愛くない私。
意地っ張り。
素直にもなれない。
それでいて嫉妬だけは一人前で
ホント嫌になっちゃう。
私も萌香先生みたく可愛く甘えられたら
佐伯くんも
私を見てくれるようになるのかな。