堅物くんとの恋愛過程
「女性の髪止めの基準ほど理解に苦しむものはありませんね」
佐伯くんは困ったように、でも少しだけ恥ずかしそうに笑う。
滅多に見ることのない佐伯くんの笑顔。
でも、その笑顔はきっと
“あの人”を思ってのことだよね?
萌香先生も、いつも素敵な髪飾りを着けてるし。
私が着けてる物なんかのより
もっともっと素敵な髪飾り。
「…………」
胸が………苦しくなる。
「一度、委員会で髪止めの基準を決めなければなりませんね。その時は……え?胡桃沢さん!?」
佐伯くんの言葉を最後まで聞かずして
私はその場を逃げ出してしまっていた。
ごめん、佐伯くん。
これ以上は……無理だよ。
萌香先生を純粋に思う佐伯くんを見ているのは
辛過ぎる。