堅物くんとの恋愛過程
佐伯くんに無理矢理連れて来られた場所は
風が少し強い屋上。
「は、離してっ!」
掴まれた腕が痛くて
………心が痛くて
私は佐伯くんのその大きな手を強引に振り解いた。
だけど
ガシャッ!
「っ!」
振り解いた佐伯くんの腕は、今度はそのまま私の背中を捕えていたフェンスへとぶつけられた。
「僕は貴女に何かしただろうか?」
怒りを精一杯押し殺したような佐伯くんの声。
私は、戸惑いのあまり声すら出ない。
「貴女が僕を避ける理由を聞かせてはいただけないだろうか?」
「………」
佐伯くんの目……怖いよ。
恐怖におののいてしまった私は、ただ唇を噛み締めることしか出来ない。
「………すみません。貴女を怖がらせるつもりではなかったんです。ただ」
「………」
「貴女の急な変化に、僕の気持ちが追い付かず……つい」
そして、今度は苦しそうに顔を歪ませる佐伯くん。