堅物くんとの恋愛過程
鞄を置き、校門へと急ぐと
「あ、おはようございます先輩」
「おはよ」
まだそこに佐伯くんの姿は無く、いつも元気に自転車通学をしている同じく風紀委員の後輩がいた。
「珍しいっすよね?佐伯先輩が遅れるなんて」
「うん。電車が止まってるみたいだからね仕方がないよ」
「そうなんすか?あ、どおりで生徒が少ないわけだ」
後輩くんの言う通り、いつもなら朝練などの運動部系の生徒が登校してくる時間帯なのだけど
今日は自転車通学の生徒がチラホラと通過していくだけ。
「でも嬉しいな。俺一度、胡桃沢先輩と話してみたかったんすよね」
「え……そう?」
「だって先輩の隣は、いつも佐伯先輩がガッチリホールドしてて、話しかけようにも話しかけられなかったんすよ」
「………」
それは違うよ、後輩くん。
私が佐伯くんをガッチリキープしているのだよ。