堅物くんとの恋愛過程
「約束……してもらえますか?」
文弥くんの端正な顔が徐々に近付いてきて
私は精一杯頷くことでしか返答が出来ない。
「本当……ですか?」
頷くことで既に約束は成立しているはずなのに
それでも文弥くんは、更にその距離を縮めてくる。
「ふ、文弥くんっ?」
知らない男の人のような瞳をする文弥くんに
私のドキドキは止まらない。
「どうしましょう、舞さん」
「え………」
「貴女に触れたいと思う衝動を、僕はどう制御すれば良いのでしょうか?」
「な………」
「最初のデートで手を繋いで、それから……と、恋人の手順を昨日からあれこれ思案していたのですが」
「………」
「貴女とのこの距離を許されてしまったら、もう自分を抑えることなど……不可能のようです」
「ふ、文弥くん……」
「それに昨日も忠告したはずです。僕のそばで、あまり可愛いこと言わないように、と」
「そ、それは……」
「問答無用です」