髪から始まる恋模様【SS集】

「…やっと答えてくれたね。」

タイチ君は少しだけ微笑んだ。

忘れるワケないよ。

自分の言った事ちゃんと覚えてる。

それに、あの言葉は本心だったから。

***

ー『…ねぇ、タイチ君。
スタイリストデビューするには
何年かかるの?』ー

ー『…ハッキリ何年とは言えないけど
学校や先輩からは
平均3年かかると言われてます。』ー

ー『…3年も!?』ー

ー『…らしいです。
でもカズシ店長は
2年前後でデビューしたみたいだから
俺もそうなればいいと思って
容易い事ではないとわかってるけど
研修もレッスンも頑張ってます。』ー

ー『…そっかぁ。
でもさ…タイチ君はシャンプーも
カラーリングの腕前も上手だから
きっと早くスタイリストに
昇格出来ると思うよ。
応援してるし
デビューした暁には絶対カットは
タイチ君を指名するから
頑張ってね。』ー

ー『…本当ですか!?
じゃあ、俺絶対にデビューして
カリンさんから指名貰えるように
頑張るから約束ですよ!!
絶対ですよ!!』ー
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