◆Loves to You◇【短編集】
“グスン……”
振り返ると、紗英が机の上にうつ伏してる。
「紗英…?」
「ちょっと待って…仁、反則だって
昨日は恋しないって…」
顔を上げた紗英は涙でいっぱいだった。
「あたしね…きっと仁が初めてピアノ弾いてた、あの日。
あの日から一目惚れだったのかな?
仁のことだからきっと何で自分?って言うんだろうけど…
車椅子とか関係ない…
あたしには仁だったの。
仁が好きだった。
ってか周りに仁のこといいって女の子結構いたんだよ?
仁はバカで、鈍いから気づいてないけどさ。
昨日話してて、あたしもあきらめようって思ったのに…
あーもう!!
涙が止まんないよぉ〜」
「ちょっ…ちょっともう泣かないでよ!!」
「あーもう無理だもん」
そう言って、紗英がいきなり抱きついてきた。
車椅子が一瞬グラッと傾いて、倒れそうになるぐらい。
「仁のバカ…」
「だからごめんって」