年下オトコたちの誘惑【完】
ボゥっと、碧都を見つめてると『なんかしねぇの?』と言われ、我に返った。

「あっ、ワイン。赤ワイン欲しい…」
「ん、持ってくる」

あああ、なんか新婚さんみたい…。

『あっ、ワイン。赤ワイン欲しい…』
『ん、持ってくる』
『ありがとう』
『なぁ、料理もいいけど。もうガマンできそうにないんだけど』
『えっ、ちょ、』

「杏。頭、大丈夫か?」
「うぇっ⁉︎」

ひゃだ‼︎わたしったら、妄想の世界に入っちゃって…‼︎

危ないとこだった…。このまま想像してたら…。

「やるとこだった…」
「あ?」
「えっ?」

なに?わたしなんか言った⁉︎やだ、重症…。なにも覚えてないなんて…。

「ワイン、入れんだろ?」
「う、うん」
「こんなもん?」

そう言いながら碧都は、少量の赤ワインを注いだ。

「ありがと。あとは、蓋をするだけ…」
「ん、これでいいか?」

結局、碧都に全部やってもらっちゃった。まぁ、いいよね。誰がやっても同じなんだし。

あとは中火で10分くらい待つだけ。わたしは、壁にかけてある時計を見上げた。

「で、どうした」
「は?なにが」
「顔、赤かったから」
「ぬぁっ⁉︎な、なんでもないわよ‼︎」

まさか、ここにきて持ち出してくるとは。油断できない奴だ‼︎
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