年下オトコたちの誘惑【完】
ジュウッ‼︎と、いい音がして。聞くだけで、お腹が減ってきたぁ。

尚樹と楓は、他のことをしてるみたいだし、勝手に焼いていいんだよね?

火加減は中火より強めにして、その間に冷蔵庫を開けてバターを探し出し、取り出す。

スプーンを探すと見えるところに置いてあって、探す手間が省けた。

スプーンを手に取り、バターを少しだけ削ってフライパンに投入する。

バターが溶けた頃に、ハンバーグをひっくり返そうと思ったんだけど、フライ返しが見つからない‼︎

キョロキョロしてると、『これか?』と突然ヌンっ、と現れた碧都の姿にビクッとなった。

さっきチラッと見た時、碧都はお酒を出していたのに。

多分、色的に焼酎だったのかな。わからないけれど。

「あ。ありがとう」

目をチラッと見て受け取ろうとすると、ヒョイと上に上げて、わたしに取らせないようにするイジワルな碧都。

「ちょ、ハンバーグ焦げる‼︎」
「別に俺んじゃねぇし」

はぁ⁉︎なに言ってんの、コイツ。確かに碧都のではないけど、お金払って食べるお客さんに焦げたハンバーグを出すわけにはいかないんだっつーの‼︎

ヒトニラミすると、すぐに逸らした碧都は、わたしにフライ返しを渡すことなく、碧都自身がカンタンにひっくり返してしまった。
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