年下オトコたちの誘惑【完】
だって、碧都は。わたしに興味なんかないじゃない。

ただの“ばばぁ”なんでしょ?

あのキスだって、気まぐれだったんでしょ?

悲しい顔したのだって、きっと計算。

わたしを落とそうとしたフリをして、落ちた時にバカにするパターンでしょ?

だてに31年、生きてないっつーの。碧都の考えてることなんて、お見通しなんだから。

って、昨日“はじめまして”だったんだけど。

「とりあえずさぁ。わたし、なにやったらいい?」

どうせ仕事してないんだから。お給料のことは聞いてないから、お金が発生するのか分からないけど。

たとえ、ボランティアだとしても、相当な気分転換になるし。

お金なら、まだ貯金したのが残ってるし。良かった、結婚の時のためにとコツコツ貯めたお金があって。

ボーナスも、ほとんど使わないで取っておいたしね。

そんなことを一人考えてると、四人がわたしの前に整列をした。

「アンコ、俺んとこ来いよ」
「だぁめ‼︎杏ちゃんは、ボクのところ‼︎ねっ?」
「俺のとこだろ。杏、おいで」
「なに言うてんねん‼︎杏ちゃんは、ボクのとこに来るに決まってんねん‼︎」

え?なに、言ってんの、コイツら。この狭い空間で誰のとこって、選ぶもんなの?

ってか、ほんとにわたし逆ハーだ…。
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