ヒミツの王子さま!



みんな一斉に体育館を出て行ってしまって、すっかり静寂に包まれてしまった。




現実感がなくて、日差しが差し込む入り口を眺めて茫然としていた。





「な、ナオ……苦し……」


「え、あ……ごめん」





やべ。

すっかり忘れてた。



抱き寄せていた腕をそっと解くと、日向は恨めしそうに俺を見上げた。







あちゃー……怒ってるし。


そうだよな……。
また勝手にキスしたから……。








「もう……ナオってば」


「うん。 ごめん」








素直に謝っておこう。
日向って怒ると、こえーんだ。

話してくんないし、目も合わせてもらえない。







「……でも……好き」


「……え」






顔を上げると。



「まだ一緒にいられるんだよね?」



そこには、ちょっとだけふてくされたような日向がいて。

でもその瞳の中に、不安の色が見え隠れしていた。





< 196 / 214 >

この作品をシェア

pagetop