ヒミツの王子さま!
案の定、中庭に呼び出された俺は、隣のクラスの子のチョコを差し出されていた。
「ごめん。 俺、彼女いるんだけど……」
ポリポリと眉のあたりを掻いて、女の子を見た。
真っ赤に染まる頬。
でも、その瞳が見る見るうちに潤んでいく。
あからさまに傷ついた顔されると、どうしていいのかわかんないし。
「……あ、知ってるよ!だけど……受け取ってほしくてさ」
「……」
あー、だから俺。
こういうの得意じゃないんだって……。
経験値なさすぎ。
泣きそうなのを俺に悟られないようにしてるのか、明るく笑う子の手元に視線を落とす。
それはキレイにラッピングされてて……。
だけど、その瞬間。
教室で目が合った日向の顔が浮かぶ。
俺は小さく息を吐き出すと、目の前の女の子を見据えた。
「……。
……うん。その気持ちすっごい嬉しい。 だけどごめん。俺、受け取れない」
「……」
そう言うと、「そっか」って言ってまた明るく笑う。
「彼女がうらやましいな……」
そう言った声が震えてる気がして。
俺は曖昧な笑顔を返すことしかできなかった。
はあ……。
なんかキツい……。