ヒミツの王子さま!

案の定、中庭に呼び出された俺は、隣のクラスの子のチョコを差し出されていた。




「ごめん。 俺、彼女いるんだけど……」



ポリポリと眉のあたりを掻いて、女の子を見た。

真っ赤に染まる頬。
でも、その瞳が見る見るうちに潤んでいく。

あからさまに傷ついた顔されると、どうしていいのかわかんないし。



「……あ、知ってるよ!だけど……受け取ってほしくてさ」


「……」




あー、だから俺。
こういうの得意じゃないんだって……。
経験値なさすぎ。


泣きそうなのを俺に悟られないようにしてるのか、明るく笑う子の手元に視線を落とす。

それはキレイにラッピングされてて……。

だけど、その瞬間。
教室で目が合った日向の顔が浮かぶ。


俺は小さく息を吐き出すと、目の前の女の子を見据えた。





「……。
……うん。その気持ちすっごい嬉しい。 だけどごめん。俺、受け取れない」


「……」




そう言うと、「そっか」って言ってまた明るく笑う。




「彼女がうらやましいな……」



そう言った声が震えてる気がして。
俺は曖昧な笑顔を返すことしかできなかった。





はあ……。

なんかキツい……。

< 205 / 214 >

この作品をシェア

pagetop