ヒミツの王子さま!


重い足を引きずるようにして戻ると
すでに教室には誰もいなくて。



自分の机に向かうと、鞄を掴む。
それをストンと机の上に乗せて、窓の外を見た。




「……日向……」




窓越しに日向がいるのが見えて、俺はゆっくりとそこから視線を外した。




「おかえり」


「……うん」




日向はそう言って、にっこりと笑った。




「帰ろ」



鞄を肩にかけ直して、その中からマフラーを取り出すと、首にグルグルと巻いている。

先に教室を出て、廊下で俺を待つ日向の後を追う。


だけど、俺は、そのままそこで足を止めた。




「日向」


「……」




一瞬ビクリと立ち止まってから、日向はクルッと振り返った。
「なに?」ってなんでもないように笑う。





「……、……」


「どうしたの?
……あ、もしかしてお昼にるみが言ってた事気にしてるの?
あたしなら平気だよ? だって、受け取ってたのは、ナオが優しいからだもん。
傷つけたくないって、そう思うんでしょ? 
それは、優しいから。
……だから、あたし、全然ヘーキ………っ!」




笑って話す日向の腕を掴んで、思わず引き寄せた。


平気って……だったら……。


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