ヒミツの王子さま!
「だったら、なんで俺を見ないんだよ」
「……ナオ……ここ、学校だよ?」
背の伸びた俺の腕の中にすっぽりとおさまった日向。
腕の中で、日向がピクリと反応する。
俺の胸に手をついて、押しやろうとする。
だけど、そんなの無駄な抵抗。
さらに力を入れて、抱きすくめる。
「嫌なら嫌だって、そう言ってくんなきゃ、俺……こんなんだからわかんねーし」
「…………」
ギュッと抱き寄せて、蜂蜜色の髪の中にクシャリと手を滑り込ませた。
髪をかき分けて、隠れていた耳に唇を寄せる。
「頼むから。 ちゃんと言って」
「……ッ……」
喉の奥から絞り出したその声は、かすれていて。
自分ながら情けない。
夕陽に染まる、誰もいなくなった教室。
密着した体から感じる鼓動は。
限界を知らないほどに加速する。
そして、日向の小さな息遣いが聞こえた。
「……ほんとは……」