ヒミツの王子さま!


一瞬訳が分からないって顔した日向の頬が
今度は一気に真っ赤に染まっていく。





「え、あの……えと……あれ?」




あまりにも動揺してるから。
こっちまで恥ずかしいっつの。

だから2回も言いたくなかったんだよ。





「バーカ」





真っ赤より赤くなった日向のおでこをツンと指で押した。
そんな大した力でもなかったはずなのに、フラついて数歩後退りした日向。


それがおかしくて、思わず笑ってしまった。






「ま。 とりあえず、帰ろ」




学校じゃなかったら、ハグしていいんだろ?


差し出した俺の左手に、恥ずかしそうに右手を滑り込ませた日向。


それをキュッと握って、俺は廊下を歩き出す。
日向も同じように、ついてくる。


何が嬉しいのか。
満足そうに微笑んで。




「……ほんと、王子様みたい」


「ん?」




ちゃんと聞き取れなくて、首を傾げた俺に、日向はフルフルと首を振った。




「ううん、秘密!」





頬をピンクに染めて。
嬉しそうに俺を見上げた日向。



その顔を見て。



――まぁ、いいか。

なんて、そう思えた。






『秘密』で始まった俺たちの関係。
いろいろあったけど、今あるのはやっぱりあの時があったからで。



たぶん……。

いや、絶対俺ひとりじゃ、ここまでは来れなかった。


みんながいたから。
……日向が、いたから。


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