臆病者の散歩道

「…いいだろ、別に。」

「どうして？？」

最初無理やり強引に押しかけられて…けど、そりゃ一応、付き合った手前、彼女に合わせたりもしてみたけど…
やっぱり違う。
柚がいい。
…なんて事も言えないし。
俺って情けない。
どうせ柚の事だからきっと何か勘違いしてるんだろうな。

「いーの。この話は終わり！！」

俺は、思い切り話を切って終わらせた。
俺が話したかったのはそこじゃないし。

「それよりお前はイイ奴居ないのか？」

まだ、納得していない柚に言う。

俺としては今朝のツツミって奴の話が気になるわけで。
ま、正直話してくれるとは思ってないけどさ。

「イイ奴ね…居ないよ、そんな人。」

「ふうん。」

ホントかよ。
じゃ、アイツなんだよ。

言えたら苦労しない。