臆病者の散歩道


「もしもさ。告白とかされたらどうすんの?」

俺ってしつこい…かもしれない。
柚は不思議そうな顔。
そうだよな。
今までこんな話、二人でしたことなんてない。
おまけに緊張して顔なんて見れない。
顔見ずに話すなんてしないから不自然過ぎる。

「そんな人居ないから大丈夫だよ。」

「い、居るかもしれないじゃん。」

やっぱりしつこい。
絶対、俺、変。

柚が初めてラブレターもらった時だって、
「モノ好きいるなー」
…とか言ってたくせに。
こんなに聞くなんて、俺、変。

「居ないって。ってか、居ても要らない。」

「なんで?」

???
今なんて??
要らない??
驚いて柚の方を見ると、柚の顔は少し赤くなっていた。

「なんで要らないの?」

「なんでって…。」

もう、どうせ変に思われてるんだから聞いてしまえ。

「要らないから要らないの。」

「………。」

柚は困った顔。
絶対何か隠したけど…。
こういう時の柚は絶対口を割らない。

仕方なく、空をまた見上げた。


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