SHE IS MINE(2014年七夕短編)
わたしはまた星司お兄ちゃんの肩を押して、距離をとった。
「わざわざありがとうございました。わたしが倒れたのを運んでくれたんですよね」
星司お兄ちゃんは戸惑った顔。
皆さん、言わなくてもわかりますよね。
戸惑った顔も、美しいです。
わたしはそのまま彼の背中を押して、部屋のドアに向かわせた。
星司お兄ちゃんの「ちょっと待って」は無視。
聞こえないもん。聞こえない。
「本当にありがとう。サヨウナラ」
星司お兄ちゃん、強制退室です。
連絡先も知らないし、どこに住んでいるかもわからない。
もう会わないでしょ。
もう会えないでしょ。
3日前に戻っただけだよ。
本当にサヨナラ、わたしの初恋。
本当にサヨナラ、わたしの彦星様。
あなたを好きになれてよかった。