俺様王子様
顔から火が出るってこういうことなんだって思うぐらい、顔が熱くなった。

「朱莉顔真っ赤♪」

そんなあたしの反応を見て未月は笑った。

「朱莉はないの?やりたいこと」

まだドキドキが止まらないあたしに未月は言った。

「へ?」

「朱莉さぁ、俺には聞いといてへ?ってなんだよ!…ないの?なんか。この学園に入ってしてみたいこととかさー」

「うーん。おいしいごはんも寮で毎日食べてるし、仲良しの友達もできたし…。」

「それだけかよ…」

「あ!制服デートしてみたい‼︎中学生のときから憧れだったんだよねー!」

「ふーん。ねぇの?制服デート」

「あっ!あるわけないじゃない‼︎女子校だったし」

「そっか」

未月はそれ以上は何も言わずに歩いた。

(未月はあるのかな、制服デート…)

ねぇの?と聞いた感じからしてありそうだ。
未月は女の子の扱いにも慣れてるし、きっと制服デートとか当たり前なんだろうなと思ったら、何だか胸がズキズキ痛かった。
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