俺様王子様

ねぇの？制服デート





未月の言葉が頭の中で響いて、なかなか消えない。

「はぁー…。だめだぁ、あたし」

お風呂に浸かりながらあたしはため息をついた。
あたしは、今まで彼氏どころかまともに恋愛したことがない。
だから制服デートに憧れたりするわけだけど、未月はどうなんだろう？
考えてもしょうがないとは思っているけど、未月は今までどんな人を好きになったんだろう？
何人と付き合ったんだろう？
考え出したらキリがない。
あたしの初めてのキスが未月だったけど、未月は誰なんだろう…。

湯気で曇った鏡に映る自分を見る。

「もっと顔が小さかったら、もっと目が大きかったら、もっとスタイルが良かったら、もっと恋愛経験があったら…。そしたら未月と釣り合うのに。…未月の心を独り占めできるのにな…。」

あたしはそう呟いた。