本当の居場所
あたしの頭を撫でながら、優矢は言った。
陽人は、その場に突っ立ったまま、
あたしと優矢を見つめていた。
「優矢………もう、行こ?」
「え?」
驚きの声をあげたのは陽人。
あたしは陽人の顔を見ずに、優矢の手を引っ張った。
「紗雪……」
優矢は何か言いたそうだったけど、気付かないフリしてそのまま歩いた。
陽人との距離が大きくなる。
まるで、これからのあたしたちの距離みたいに。
あたしと陽人の距離は、近くなんてならない。
遠くなる一方なんだよ。