幕末オオカミ 第二部 京都血風編
局長はその案に同意した。
「副長助勤の面々!参るぞ!」
局長が叫ぶと、総司や平助くん、斉藤先生たち副長助勤が鷹司邸に乗り込んでいく。
やがて邸内から、刀がぶつかり合う音が聞こえてきた。
どうか、みんな無事で戻りますように……。
「おい、小娘。
山南さんはどうした?」
総司たちの身を案じて待っていると、馬に乗った副長が背後に近づいてきて言った。
「えっと……屯所の守りとして残るそうです」
「まだ体調が悪いのか」
「いえ、少し眠れない日が続いているみたいですけど、私が出かけるときにはけっこう元気で……」
って、これじゃ山南先生が元気なのに戦から逃げているみたいに聞こえちゃう?
口をふさいで見上げると、副長は苦虫をかみつぶしたような顔をしていた。
「ちっ……なんであの人は、手柄を立てられる機会をみすみす捨てるんだ……」
その表情は山南先生を見下しているというよりは、心配しているように見えた。