マラカスの男
公一は、男の姿を見ると首を振ったが、外に捨てようと言う俺に同意した。
男を二人で両方から抱えて外に出ようとする。
酔っぱらいを介護してるように見えたら良いがと思った。
外に出ると急いで路地に入り男をゆっくり座らせる。
壁を背にして男は暗がりでは酔って座り込んでるように見えた。
男のバックは膝の上に置いてやり俺はポケットから一万円を取り返した。
男の財布から免許証だけ抜いて見ると茨城県の出身のようだった。
財布の中身は三万円と千円札が数枚入っていたので三万円だけ俺は自分のポケットに入れた。
公一と男を見ながらさっきのマリファナに火をつけて吸う。
こりゃ安物だなと公一が笑う。
確かに効き目がほとんど無いのだ。
これでお金を取ろうってのおかしいよなあと言いながら俺はさっきの三万円から公一に一万円を渡すと公一は、当たり前のように財布に入れて笑う。