忠犬ハツ恋
「大ちゃん!!大ちゃん!!」

必死に叫んでもここは向かいのマンションの2階。
間には深夜でも交通量の多い片側2車線の道路が走っている。

大ちゃんの車は私に気づく事なく闇夜に消えた。

あの助手席の女性はきっと佐々木さんだ。
こういう時の女のカンって大概当たる。

元カノを守ってあげたい大ちゃんの気持ちはできる事なら理解したい。
それでも助手席だけは私の為に空けておいて欲しかった。

やるせなさにベランダにうなだれていると背後に人の気配。

「マジかよ……。
大ちゃんって生徒じゃなくて講師なわけ?」

檜山君が何時の間にか戻っていた。
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