忠犬ハツ恋
2学期の中間試験が近づいていた。

檜山君は放課後そのまま東野に直行する。

茜ちゃんは試験前で部活が休みだったから一緒に帰る事になった。

「美咲〜、ちょっと帰りに翔真のお迎えに寄ってもいい?」

翔真君は茜ちゃんの歳の離れた弟だった。
今、年長さんなのにすでに顔立ちの整ったイケメン。
翔真君の将来は私の密かな楽しみだ。

「いいよ!私も翔真君に会いたい!!」



2人して茜ちゃん家の近くの保育園へと向かった。園庭では元気いっぱい園児達が所狭と走り回っている。

「茜ちゃん!!」

茜ちゃんを見付けた翔真君は飛ぶように走り寄って来た。

「迎えに来たよ。帰ろう翔真。」

「うん!
あ、美咲ちゃんだ〜!!」

私は笑顔で飛び込んで来る翔真君をぎゅっと抱き締めた。

「久し振りだね翔真君。」

私達は翔真君の荷物を取りに虹組さんの教室にお邪魔した。
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