忠犬ハツ恋
「大輔に会いたくないってどういう事?」

一色先生はリビングの電気を付けながら私に問う。

「すみません……。ご迷惑なのは分かってます。でも、ここ以外頼れるところが無くて…。」

一色先生はダイニングのイスを私に勧めた。
一色先生は真向かいじゃ無く右隣のイスに腰掛ける。
真正面から見られるより横から見られた方が圧迫感が少なくて話しやすく感じた。

「頼ってくれるのはいいから、そうなら電話くらいしなさい。俺が今日泊りだったらどうすんの?俺、名刺あげてたよね?
ここで待ってて誰かに拐われたりしたらそれこそ大輔に殺される。」

「…ごめんなさい………。」

「で?何があった?
その様子じゃ詩織絡みだな?」

私は一呼吸置くと思い切って一色先生に聞いた。

「また偶然……聞いちゃったんです……。
詩織さんが大ちゃんの赤ちゃんを身籠った事があるって……。
一色先生がその時の中絶費用を立て替えたって……。
………本当ですか?」
< 344 / 466 >

この作品をシェア

pagetop