忠犬ハツ恋
一色先生はしばらく難しい顔をして黙っていたが、ため息1つ吐いて逆に私に聞いて来る。
「ここで俺がそうだよと言えば美咲ちゃんはどうする?大輔を軽蔑する?」
「……分かりません。
ただつい最近私の親友が妊娠して、彼に中絶費用を渡されて破局して流産して……。」
「その親友の彼が憎いわけだ?
で、その彼と大輔がダブる。それで詩織に同情してしまうと?」
私はただ俯いていた。
「ちょっと大輔に電話するよ。」
「えっ?」
「大輔は美咲ちゃんがマンションで待ってるって大急ぎで帰って行った。そこに美咲ちゃんが居なかったら?
時間が時間だ、あいつ警察に連絡してしまうかも知れない。
俺は誘拐犯にされるのはまっぴらだからね。」
それは確かにそうだろう。
私は仕方なく頷いた。
一色先生は大ちゃんに電話するが大ちゃんはまだ運転中なのか電話に出なかった。
一色先生は大ちゃんの留守電にメッセージを残す。
「お疲れ、俺。
お前の家さ、美咲ちゃんいないからね。
ウチで保護してるから心配すんな。じゃあ。」
一色先生は電話を切るとキッチンへと向かった。
「ここで俺がそうだよと言えば美咲ちゃんはどうする?大輔を軽蔑する?」
「……分かりません。
ただつい最近私の親友が妊娠して、彼に中絶費用を渡されて破局して流産して……。」
「その親友の彼が憎いわけだ?
で、その彼と大輔がダブる。それで詩織に同情してしまうと?」
私はただ俯いていた。
「ちょっと大輔に電話するよ。」
「えっ?」
「大輔は美咲ちゃんがマンションで待ってるって大急ぎで帰って行った。そこに美咲ちゃんが居なかったら?
時間が時間だ、あいつ警察に連絡してしまうかも知れない。
俺は誘拐犯にされるのはまっぴらだからね。」
それは確かにそうだろう。
私は仕方なく頷いた。
一色先生は大ちゃんに電話するが大ちゃんはまだ運転中なのか電話に出なかった。
一色先生は大ちゃんの留守電にメッセージを残す。
「お疲れ、俺。
お前の家さ、美咲ちゃんいないからね。
ウチで保護してるから心配すんな。じゃあ。」
一色先生は電話を切るとキッチンへと向かった。