忠犬ハツ恋
「俺、今から夕飯なんだけど美咲ちゃん付き合ってくれる？」

そう言えば私もまだ夕飯を食べていなかった。
でも時計を見るとすでに深夜の1時だ。
こんな時間に食べてたら太ってしまう。
一色先生は私の胸中を察したのかクスリと笑った。

「俺だってこんな時間からガッツリは食べらんないよ。
"こんにゃくラーメン"、それならいい？
こんにゃくなら太る心配要らないだろ？」

一色先生は顔の横で袋入りラーメンをひらひらさせる。そのパッケージは見るからに美味しそうだった。

「お言葉に甘えて……いただきます…。」

一色先生の男の料理は手早くて、2人分のこんにゃくラーメンはあっという間に私の目の前に運ばれて来た。

一色先生は素早く食事を済ませるとタバコを片手にベランダへと向かう。
ベランダから下を見下ろした一色先生は「おっ、騎士のお出ましだ。どうする？お姫様？」と私に言った。
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表紙・目次

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