忠犬ハツ恋
素早く着替えを済ませ
ガトーショコラの入った紙袋を持って家を出る。

今から大ちゃんの塾に向かえば運良く大ちゃんの休憩時間に間に合うかもしれない。


私のガトーショコラを受け取ったら、大ちゃんはきっと
"婚約一ヶ月記念日?もしかして毎月祝う気?"
と呆れ顔で笑うだろう。

でもその笑顔が見たい。



最近感じる大ちゃんとの距離を埋めたかった。

婚約したというのになんだか落ち着かない私の心を宥めたかった。
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