漆黒の花嫁 - リラの恋人 -



辿り着いた公園は、小さくてひどく寂れていた。


こんな所にお前を捨てるあたしを許してね。


公園の隅っこ。
先程とぼとぼとコンビニまで買いに行った粗大ごみシールを貼ったあたしは、集められた粗大ゴミの場所に、長年愛用していたギターを捨てた。



ごめんね、
でも忘れられないから。
こうでもしないと思い出が溢れそうなの。

‥弱虫なあたしを許してね。



そうやって目を閉じて小さく呟いた時、チカッとなにかが光った。



「なに、まぶし‥」


目を開くと、あたしが置いたギターとは別に、裸のまま置かれている楽器が見えた。


月明かりに照らされたのか、チカチカ輝いている。


なんだか不思議な感じ。



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