漆黒の花嫁 - リラの恋人 -
「どうしてこんな事‥っ。
アードさんらしくないです、どうしちゃったんですか‥!?」
身じろぎしながら彼を見上げ、ハッとした。
そこには、冷えたような目をした彼がいて‥
「さっきから聞いていれば‥‥‥俺の一体何をそんなに知ってるって言うんだ?‥‥アカリ?」
あたしは、凍り付いたように動けなくなった。
――怒らせてしまった。
「ストレート過ぎる所は新鮮で構わないけど‥‥‥俺は干渉されるのは嫌いでね。‥少し、状況を判断出来るようになった方がいいよ?」
打って変わったような、冷たい言葉や見下ろす冷めた瞳。
それなのに、あたしに触れる事はやめない。
「ア、アードさん‥!
ごめんなさい、あたし怒らせるつもりじゃなくて‥‥キャァッ‥!?」
それどころか、苛立ちをぶつけるように荒々しく、いきなりスカートの中に手を入れられ、強い力で脚を開かれて、あたしは悲鳴をあげた。
「――ヤッ、やだぁ‥ッ!!」
あたしが叫んだその瞬間、部屋の空気が一瞬だけ歪んだような気がした。