蝶々、ひらり。
「離れてみて、私はようやく自分の気持ち分かった。
でも今度は怖くなった。離れていく私を、大輔は引き止めなかったから。
もしかしたらただ同情で私に付き合ってくれていたのかも知れない。離れたことで安心してるかもしれないって。
そう思ったら、途絶えて行く連絡に追いすがることもできなかった」
俺は有紀の言葉を、どれだけ理解しているんだろう。
都合のいい解釈をしてしまっているのか?
彼女が俺を好きだと、そう言ってくれてるように思うのは、俺の聞き間違いじゃないのか?
「大輔のこと忘れようと思って、つき合った人もいる。だけどやっぱりダメで……尚更分かったの。
辛い時近くにいてくれたから好きになった訳じゃない。大輔だから、好きだったんだって。
だけど気付いた時には、もう大輔は届かないところにいて。……だから、もういい加減ケリをつけようと思って。ちゃんとフラれるために来たの」
「ちょ、……待て。俺は」
「手紙の返事が来なかったから、正直へこんだ。顔も見たくないのかなって思って」
「違う、有紀」
「でも来てくれたから。……ありがとう大輔。今日ここに来てくれて、私本当に嬉しかった」
有紀が、泣き笑いの顔になる。
そして人差し指を伸ばして俺の胸を一突きした。
「私、あなたが好きです」
「有紀」
「今日会って、……やっぱりまだ好きだなって思った」
胸が震えて喉が熱い。
信じられない。これは夢なんじゃないのか。