【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん



その後、組長さん達が響さんに謝罪に伺わないと仁義が通らないと言い出したからまたもめた。


植木さんがここへ来たのは、藤堂組と共に近藤組も守りたいという気持ちだ。


極道の歴史だからだ。


そしてここにいる奥野さんという人が戦友だからなんだと思う。


愁斗さんはジッと静かに瞳を閉じたままだった。


「組長に一任されて伺いました。そして自分が謝罪をうけ了承した。それで終わりです。無事終わったかと文句のひとつも言わないでしょう。それが藤堂の組長です。お袋も、結衣を守って下さった事の感謝を伝えたいと口にすると思います。」


隼の言葉に


私がにこにこしながら


「絶対そうです。私が隼の言うことを聞かなかったって事を内緒にしてくれる方が嬉しい。内緒ですよ?」


人差し指を唇にあてながら


そう付け加えると八重さんと小百合さんの目から涙が零れ


先代も組長さんもグッと目をとじた。




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