【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん


植木さんと三浦さんの姿も探さなくてもすぐに見かけるようになった。


それは、私の動きを注意深く見ているのかもしれない。


目があうといつもと同じように笑いかけてくれるけど


そこに漂う空気はやはり前とは違っていた。



唯一変化がないのは響さんだ。


響さんを取り巻く空気はまったくその気配を感じる事がない。


その姿にホッと安堵の息を吐く。


だけど洗い場が終わり部屋へ戻ろうとしたときに


窓辺でタバコを燻らせながら


1人月を見上げる響さんの姿があった。



気づかれないようそっと歩き、部屋へ戻った。





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