【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん
「結衣姉さん、懐かしついでにげんちゃんって呼んでくだせぇよ。」
「え?」
「あっしも呼ばれると子供の頃を思い出しやす。姐さんもそうでございやしょ?」
「えぇ。今走馬灯のように思いだしていました。」
「極道の意味すらわからねぇガキの頃ですよ。中学ぐらいになりまわりも完全に理解し始めるとげんちゃんなんて呼んでくれるものすらいなくなりました。」
話す組長さんは何だか淋しそうに感じて
「お呼びしてよろしいんですか?」と聞けば
「呼んでいただけると嬉しいです。」と仰った。
響さんも由香里さんも隼もそっと頷くから
「げんちゃん。」とお呼びすると
「あぁ…また呼んでもらえる日が来るなんてなぁ。」
本当に嬉しそうにされていて、
極道は極道で淋しい思いもしてきているんだと改めて思った。