【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん
「婆さん、この通りを真っ直ぐ行けばよかよ。すぐにスーパーが見えてくるけん。きっと前で心配して待っちょるよ。」
五郎さんが荷物を渡すと
お婆さんは紙袋の中から菓子折りをひとつ出し
「長野のみすず飴だけど、お礼に受け取って下さい。本当にありがとうございました。」
「待っちょる人の土産ばい。気持ちだけもらうけん。」
「多く買ってきましたから御気にならさらず受けとって下さい。」
頭を下げられた。
五郎さんは両手で受けとり
「ありがとうございます。」
同じように頭を下げてお礼を言っていた。
私も「お気をつけて。」と頭を下げると
「博多の街中で、熊さんとリスに出あったみたい。」
こそこそっと話してまた頭を下げると歩き出した。
その姿を少し見つめていると
「何て言いよったと?」
「街中で熊さんとリスに出会ったみたいだって。」
五郎さんはとたんに大声で笑っていた。