足跡の、その先に。



「なん、で、よっ」


そんな小さな期待は、泡のように静かに消えた。


「ひっく、うっ、っく」


オレンジ色の廊下にあたしの泣き声がこだまする。


「…帰ろ」


あたしは、立ち上がり、靴を履いて玄関を出る。


すると、ふと、校舎の横の花壇が目に入る。


「綺麗…」


そこに咲いていたのは、ピンクのスミレだった。


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