瞳が映す景色
馬鹿みたい。
極端なんだ。
友達になりたいとか言いながら、名前さえも口にしない、必要最低限しか口にしたくないなんて。
言って、くれれば。
そこまでの熱情を言ってくれてさえいれば腹も立たなかったよ。
同情くらいはしてあげた。
そんなに好きなのに報われないねって冷たくあしらってあげた。
叶っていたとしたら、あたしくらいは、非難はしないで笑ってあげるくらいしてあげるのに。
砕けたら、行き場のない悲しみくらいなら聞いてあげられる。
「どうしたの?」
「ううん。別に」
「だったらいいけどね。心配しちゃうよ」
別に気にすることじゃない。映画の夜の色々など触れもしないで、あたしたちは日常を過ごす。カウンターのこちらとあちらで。
いつもと同じ、振り返りながら手を振って白鳥さんはマンションに消えていく。
あたしは、一度だけ面倒臭そうにそれに応える。
本日も、これにて営業は終了。
今日も今日とて、そんなもの。